スペイン市民から成る団体(スペイン国際人権法協会)が、2005年、平和をひとつの権利を国際人権として認めてもらうために運動を始めました。
この権利こそが平和への権利です。
2003年からイラク戦争が国連の承認を得ぬまま始められました。
“もしこのときに、世界に「平和への権利」があれば、
戦争を止め、“生きること”で苦しむ人々を救えるのではないか“
スペインからはじまった平和のための一滴は、世界中のNGOを巻き込み大きな波へと成長を遂げます。
世界各地で国際NGO会議を開き、専門家や市民の声を集め世界の市民による平和への声として宣言を出しました。
2006年スペインでは、「ルアルカ宣言」の採択を機に、「ビルバオ宣言」、「バルセロナ宣言」の採択へと継きました。そして、アジア、アフリカ、南北アメリカでも市民一人ひとりがNGOとして30回以上の議論を経て、2010年12月には、世界900ものNGOが終結し、多くの専門家や各NGOの平和への考えを人権として反映させた「サンティアゴ宣言」が採択されました。
サンティアゴ宣言は、「平和」の意味の多義性を人権という視点から実現させようとしています。
それは、戦争や軍事的行動の否定だけでなく、貧困などの構造的暴力や差別や偏見を生みだす文化的暴力の否定も含まれています。
NGOによってつくられた「サンティアゴ宣言」が2011年に正式に国連に提出されたことにより、平和への権利は、議論の場を国連に移しました。平和への権利を国連人権理事会で国際宣言として採択するため、サンティアゴ宣言は国連の諮問委員会草案として「国連宣言案を検討するための作業部会」で、2013年から2015年にかけてNGOと政府によって議論がなされました。
2016年7月1日、平和への権利宣言がキューバ政府の提案により、国連人権理事会32会期で正式に採択され、国連総会に提出されました、これには、世界中のNGOが驚かされました。そして遂に同年11月、国連総会31会期において平和への権利は国際宣言として採択されました。